こんにちは、台風からの東うねり、とんでもないほど大きいですね。
南に向いた湘南が腰、東に向いたブレイクではダブルオーバーと、
やはりうねりの向きって大事ですね。
波情報もその角度を大きく伝えたらいいのに、
とはいつかの「namiaru」さんとのミーティング。
これは昨日の話になるが、
コーリー・コーラピントがサンクレメンテの丘の上にあるNATION工場にやってきて、
ライアンとサーフボードデザインについて、なにやら深く、そして長く談議していた。
ご存じコーリーはVisslaのライダーで、
ショートはもちろん、ミニ、フィッシュ、ミッドレングス、ログ、
さらにはフィンレス全てに完璧に乗ることができるオルタナティブ(ウナクネ)一直線のヤングレジェンド。
彼が小さい頃に乗っていたというサーフボードを持って来ていた。
どうやらこのボードが大好きなのだが、ボード中央で加重して加速するという、
このサイズ特有のリアクションが好きではないという。
そこで、レイル加重できて、取り回し良く、
つまりコーリーのドリームサーフボードをデザインして欲しいとやってきた。
こういう話は大好きなライアンのことだから、午前中全てを使ってのデザインが始まった。
ひと昔前なら
「シェイピングベイでボードブランクスと向きあいながら」
というスタイルだったのだろうけど、
今はライアンが使いこなしているボードソフトウエアで、
レイル角度、丸み曲線、エッジの位置、
コンケイブの場所とエリア深さ、ロッカー曲線、アウトラインと、
考えられる限りの詳細なるデザインが可能となった。
プロダクション、つまり割と売れているブランドのストックボードは、
ここまで細密にデザインするのではなく、
およそ50箇所程度の数値指定があるだけだが、
ライアンがやっているのは、インディーズならではの妙があって、
そのメジャーブラインドの10倍、
500箇所以上の細密な数値を合致させて、
それを”CUT”と呼ばれるマシンカットまで仕上げていく。
4月にこのことを書いたので、
詳しく知りたい方はこちらをお読みください。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/62326
彼のように広告費も予算も持たないブランドを運営していくには、
こうした限りないほどの労力と時間が費やされている。
食の世界でも同様だと思える。
『マクドナルドVSオーナーシェフの名店』
そんな図式が思い浮かんだ。
これは先週撮ったグラスオンフィン設置動画風景。
こうしてクロスロールの芯を利用してカメラポールとし、
タイムラプスモードで、毎5秒でシャッターが切ったのがこれです。
シャンパンのミッドサイズ、
しかもベイビースワロウというテイルのカスタム。
ボランクロスの薄い緑色が渋い。
こういうボードは膝腰の弱い波だったり、
ホワイトハウスやロッキーショアの大波用になるので、
「もし無人島に一本だけ持って行けるとしたら」
そんな恒例の問いかけがあったとするなら、
ひと昔前はミニボードだと言っただろうけど、
今はこんなボードなのかもしれないと思った瞬間でありました。
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私シェイプの4号機が完成しました。
こちらはKさまがオーダーしてくださったもので、
シェイプ動画等の詳しくはこちらのリンクをご覧ください。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/65158
ついに完成とあって、歓びもひとしお。
デイブ・ネイラーと相談して6ozと4ozクロスを交互に巻いたりしたボードであります。
上記したライアンではないが、私のようなものが作るボードというのは、
それは時間をたっぷりかけた真心ボードであります。
フィン位置を自在に動かせるようにと、
長い10インチボックスを採用し、スモールフィン、ロングフィン、
レギュラー風味、そしてサイドFCSでボンザー系やトライの乗り味へと、
5種類の乗り味が達成できるようにという仕様としました。
カーブチャンネルの揚力が達成できるようにと、ボトムの水流をかき集めるデザイン。
創造者として、完成はうれしい瞬間でありました。
昨日のライアンではないが、その気持ちがよくわかった今日。
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今日からアルゼンチン公演に行くブライアン・ベント。
その出発前に彼の作品を受け取りに行ってきた。
スターウオーズのグループ展が11月にあるようで、
その出展用のハンドペイント作品の数々。
かなり昔からお願いしていた自家製ロングスリーブTが完成しました。
手作りなのでたったこれだけだけど、宝石の輝きがあります。
これらはアート作品ということもあって、
大切に送らないといけないのでどのように発送しようかと思案中です。
陽は今日も沈んでいく。
こうして夕陽を見られる幸せ。
元気で明日も笑って過ごせますようにとお祈りしました。
それではどうぞすばらしい週末をお迎えください。■