こんにちは、
前線が列島を縦断して、天気が崩れそうです。
外に出る用事のある方は、
早めに済ませておいた方が良さそうですね。
雨が降って、晴れる。
夜が降りてきて、光あふれる朝がやって来る。
そんな大事なことを海の上にいると気づかされます。
こちらはBLUE誌の巻頭コラムを脱稿しました。
長い期間を書かせていただいていて、
それは感謝すると共にとってもうれしいことなんです。
広く深いサーフィングの芯を表現し続けているBLUE誌。
スタイル、またはジャンルを問わず、
広いフィールドから題材を拾って書くことができる幸せがあります。
昔「シンラ」というすばらしい雑誌がありましたが、
なぜか休刊しちゃいました。
知り合いの銘編集者に「どうしてだったのですか?」
と聞くと、
「雑誌業界は、良いものが長く続かないこともある」
ということを知って、
がっかりしたことを思い出しました。
でもBLUE誌は100年は続いて欲しいです。
そんなことを考えていたらボディサーフがしたくなりました。
手のひらから胸、お腹、足を使って波を滑るスリル。
俺は泳ぐことが大好きなので、
カメラを持って波の下に入る幸せを感じています。
波に連続で乗るのはむずかしいが、
泳いでいると全ての波のインパクト、
またはピークを得ることができます。
その位置を予期して、予測して、
足ヒレでキックして波の中に入りこみます。
私は一眼レフを水中ハウジングに密封させているけど、
手軽なGOPRO等の機材も充実しているので、
波の隣接撮影をぜひお試しください。
海の新しい表情とパワーを感じられますよ。
□
こちらコール親分のシェイピングベイ前。
10フィートのガンが完成したところでした。
10フィートというと3mの長さだから、
このボードが活躍する波というのは、
高さが5階建てとか、20m越えとなるのか。
それは、
「ジャックマイヨールのグランブルー」
のように静かな世界なのでしょう、きっと。
BD3に写真ラミネートが施された逸品。
とても良いデザインだと思えた。
これもBDシリーズかと思いきや、
なんとカーブボールの変形だという。
原型を変化させるだけで、
かなり違う形となる典型。
ハンドシェイプ時代から名匠とされてきたCOLE。
今プレシェイプからの詳細シェイプは、
フォルムからフォイルにいたるまでその優れたタッチを展開している。
『100%マジックボード』
コールボードのためにある言葉ですね。
□
変なボード作り一筋は、
デクスターことマックス。
オルタネーティブボード全盛のいま、
マックスこそがその導師であるように思える。
そしてライアン・イングル。
世界一のボードシェイパーを目指す彼の意気込みは並々ならぬものがある。
なんでも一流になるためには、
才能はもちろん重要だが、
それ以上に人並み外れた努力を続けなくてはならない。
それぞれの人生を賭けるわけだが、
彼はシェイパーになるために全てを投げ打っている。
ライアンがコンピュータ上で設計したボード。
それだけではなく、
ありとあらゆるシェイパーの、
およそ全てのマジックボードのデータを持っている。
ロッカー、コンケイブ、
アウトライン、エントリーロッカー、
レイルボリューム、テイルキック等々の個別数値。
これらをどのように組み合わせたらどう機能するか、
それらを網羅していて、
編み上げられる数少ないデザイナーでもあるのです。
全てはバランスです。
最新鋭のマシンカット。
ここまで詳細を立体表現できます。
3Dプリンターみたい。
それでも最後はシェイピングベイで、
スクリーンやペーパーでエッジを表現したり、
フォルムやタッチに差をつけたりしていくのだから、
それらは無数のチョイスがある。
ただ、あまりテクニカルにサーフボードを語ると、
サーフィングの本筋から外れていくのも知っている。
何よりも大切なのは、
「波を滑りたい想い」ですから。
波には、
大小強弱急緩暖冷ありますが、
いつまでも海で遊べるこころと体でありたい。
去りゆく夏。
この夏、
そしてこの日はもう二度とやってこないので、
どうぞ大切な時をお過ごしください。
いろいろなメディアがある中、
そしてお忙しい時間を割いて、
いつも読んでいただき今日もありがとうございました。
そして新しく来られた方、
どうぞよろしくお願いします。
波に乗ることを始めた方へ、
「このすばらしい世界にようこそ!」
サーフィングの世界はやさしく、
深く、厳しく、終わりがありません。
ひとつの山を越えると、
その先には無数の山が見えるでしょう。
その山にとどまるのもよし、
または新しい山に挑み、
その向こうには銀河のように幾億の山並みが拡がっていることでしょう、
みんな仲良く、楽しく波に乗り続けたいです。
これからもどうぞよろしくお願いします。
■