NAKISURFでは、
明日からECこと、
エリック・クリステンソンの取り扱いを公式発表します。
それに先がけて、
エリック・クリステンソンのプロフィールをページにしようと、
電話をかけてみると、
エリックはサンタアナにあるシェイプベイから離れ、
コスタメサの家に帰ったところだった。
ここにはブライアン・ミラーもよく訪れ、
エリックとサーフボード談議をするところで知られていて、
私は彼と会うときは必ず自然食品屋で、
健康に対するメソッドを聞きながら食べるのが常だった。
Eric Christenson 2018
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エリック、あなたが考える究極のサーフボードというのを教えてください。
EC:速く、より速く。それだけでなく、速くなれば、操作性が損なわれるのが常だが、
速く、そして操作しやすい。それが私のサーフボードの究極です。
ボードラインナップを見ると、ショートボードからミニシモンズ、
フィッシュ、ミッドレングス、ログまでフルラインナップです。
この意味を教えてください。
EC:私と兄(クリス・クリステンソン)は同様なアプローチをしているんだ。
それはスキップ・フライの後継だと常に感じている。
なので全てのボード、
そして私が好きだったショートボードをラインナップに据えているんだ。
なるほど、ルーツはスキップ・フライなんですね。
EC:もちろん。
なぜそこまでスキップ・フライなんですか?
私のサーフ人生で1番感銘を受けたのが、
『ザ・サーチ(The Search)』というムービー内で、
トム・カレンがスキップのフィッシュでJベイを滑ったラインなんだ。
あれは衝撃と言ってもいい。
当時はVHSテープだったので、
そのシーンを少なくとも1000回は見ました。
VHSテープのその箇所がすり減って切れてしまって、
もう1本買ったほどなんだよ。
何がそこまでの衝撃だったのですか?
EC:あのまろやかで速いライン、
さらにクラシックというのは、
当時のサーファーの理想だったんだ。
ナットヤングが、
ジョージグリーノウのフィンでターンの概念を覆したように、
トム・カレンがスキップのフィッシュでサーフィン界に新時代の扉を開けたんだよ。
温故知新というように伝統的なマニューバーを磨き上げるように。
そうなんですね。
EC:それで、私と兄はたまらなくなって、
スキップのところまで行き、
そのトム・カレン・フィッシュをオーダーしたのさ。
そんなことをしたんですね。
EC:なぜなら、当時兄(クリス・クリステンソン)は、
サンディエゴのシーワールドドライブにサーフボード工場があり、
スキップのシェイプベイとは近く、
先に兄のフィッシュが完成し、
その後で私のボードだというので、
スキップにお願いして、シェイプの一部始終を見せてもらったんだ。
それはすごい。
EC:当時の私はまだ駆け出しのシェイパーで、
兄のシェイプを見続けて、
自分流で、しかも兄を越えようと努力していたときだから当然のことだよ。
で、スキップは何が違ったのですか?
EC:シェイプ時間のかけ方さ。
サーフボードに対して、真剣に向きあって、
さらにはそのラインを出すのに、
ゆっくりと、そして一回一回の動作をゆっくりとやっていたんだ。
これが自分にとって欲しかった答えで、
それからは、
時間をかけてシェイプすることに歓びすら感じられるようになったんだよ。
それまでは?
EC:それまでは、兄や他の有名シェイパーのように1日に何本も削り、
それをプロダクションにしないと、
ビジネスは成立しないと信じこんでいた。
けれど、スキップのように自分のペースで、
サーフボードに真摯に向きあえばいいのだと、確認したんだ。
そのスキップフィッシュのサイズはいくつだったのですか?
EC:5’8″ x 21″ x 2-1/2″
合板のキールフィンが付いていて、
フラットバックのウエッジストリンガーだった。
乗り味は?
EC:もう最高さ。
自分でもコピーを作ってみたり、
そんなことから私のフィッシュに対しては、
より深い思い入れがあるのかもしれないね。
スキップのシェイプ法の違いはありましたか?
EC:もちろん!
レイルの落とし方とか、色々なことがあったけど、
そのときは自分のやり方がすでにあったので、
スキップ流には変えなかった。
ただ、その気魄というか、
魂を持ってサーフボードに向きあうことはしっかり学ばせていただいたよ。
現在私(NAKI)の、
コスミック・フォンザー用のボンザーフィンセットアップ。
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お兄さんがシェイパーとして、世界で成功していますが、
その理由は何だと思いますか?
EC:やはりパーソナリティだろう。
真面目で人のことを良く聞き、
仕事はしっかりとこなし、
約束を守る、
そして経営もしっかりと実行するという原則的なことさ。
エリックとのシェイプの違いは?
EC:私たちは、そういう造型に秀でた家系なんだと思う。
実際私もサーフボードの足し算引き算というデザイン側での頭脳を持っていて、
ビリヤードみたいにここに当たるとこうなる、というのが、
生理的、そして感覚的に備わっているのだと思う。
NAKISURF、日本のファンに伝えたいことはありますか?
EC:私が真剣に20年間向きあってきたサーフボード。
(エリックは1977年生まれ)
ただ販売するだけではなく、
思想やもちろんのこと、
サーファーのレベルや要求を受けてシェイプできる歓びだな。
それまでは、乗り手が見えない中での手探りだったけど、
NAKISURFチームの考えるサーフボード。
重さや強度、
浮力、
回転性、
フィンのセットアップにいたるまで、
細かく設定して、
サーファーの体型やレベル、そして要求を汲み取り、
そこに向けて究極のサーフボードを完成させることができるのが、
本当にうれしいことさ。
ありがとうございます。
EC:今オータニがホームラン打ったぞ。
19号だなんて信じられない。
あの子は100マイルも投げるわけで、
日本人ってすごいと再確認しているよ。
あはは、自分のことではないけど、日本人としてうれしい。ありがとう。
EC:Ohtani
そんな感じで電話インタビューを終えて、
今月からカリフォルニアに行くので、
そのときに時間を一緒に過ごす約束をして、
ハングアップした。
東京に行って、
電車に乗って大好きなカルディに行ったり、
(高知にもありました。イオンモール内)
これはJR.恵比寿駅。
地中海の本マグロを東急ストアで見つけたので、
燻製塩と、
河合家特製オリーブオイルでカルパッチョ。
これは河合夫妻の魂の家。
その前は横浪半島の内海。
専用の桟橋があって、
河合さんのフィッシングポールがあったので、
ルアーを投げてみると、
一度だけ着水時にバイトがあったけど、
それからは沈黙。
潮目が大切だと、後でタローマンから教えられた。
イサキかと思ったら、
マダイやチヌ、グレだと言っていた。
すごい海であります。
これを書いているとき、
陽水さんの楽曲『LOVE RAINBOW』がかかった。
“見つめ合う気分は 夏の恋のあこがれ”
そんな歌詞だったが、
この盛夏の四国旅を総評すると、
「見つめ合う波は、夏のあこがれ」
だったと実感した瞬間でもありました。
Happy Surfing!!
◎