コットンズ岬に沈む夕陽。
夏到来サーフボード考シリーズも3回目を迎えます。
今日はミッドレングスです。
これはタイラー・ウオーレンが印を結んだ6’8″。
ファンクション・ハルとか、EGGという俗名、
学名、モデル名がついているマイルドなHULLモデル。
一昨日のショートボード編で、
私は30年に渡るショートボード愛好者だと書きました。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/56376
そして最近は、
このようなボードに乗り始めた入門者です。
ミッドレングスの良さは、
乗り味の軽さと、
浮力の絶妙なバランスでありましょう。
車にも中積みできるし、
ロングにくらべると持ち運びがしやすく、
それはすばらしいボードデザインだと思っている。
物の本によると、
ロングボードは9’0″からとあって、
それなら8’11″が欲しくなるのが自分流。
で、ミッドレングスの定義は、
ショートボード超えのサイズから8’11″までということで、
今さっきこのマジックボードの造形者タイちゃんこと、
タイラー・ウオーレン家に行ってきたが、
彼の抱えているオーダーも8フィート台がほとんどで、
「みんなも規約のとらわれからようやく解放されてきたのではないかな」
とうれしそうにしていた。
フォードアーズの満潮腰波。
ロングボード主流の軟緩(なんかん=字の通りの造語です)ブレイクで、
こうして軽く波に乗ることができるのは、
ミッドレングスの誇る体積があるからに他ならない。
昨日トニー大谷さんに
「ミッドレングスとか、ロングの何がおもしろいのでしょうか?」
という質問に私が答えたのが、
「ターン半径の距離がすごいです」ということ。
それはショートボードでこの波だと、
一瞬しかレイルを入れられないのに対し、
ミッドレングスだと2秒、
もしかするとさらにレイルを入れ続けていられる。
それは波サイズがあるときのショートボードのようで、
こんな腰波でダブルオーバーヘッドサイズと同等のレイル使いができるのは、
サーファーとして最高至福であります。
事実昨日もその前日もミッドレングスに乗ったが、
後ろ足の大腿部外側はその筋肉疲労から張っているのであります。
大波の日もこうして筋肉が張るのだが、
こんな波でターンが鍛えられるのはありがたい痛さとして、
今日の日常生活でサーフィングを感じられたのがうれしい。
そしてさらに体幹が鍛えられた。
昨日はあまりの調子良さに、
入ってくるサーファーたちに
「ボード見せてください攻め」にあいました。
これは岸から見ていて良い滑走ができている証拠で、
さらに大きなターンを心がけて、
3秒レイルを入れるところをもう1秒、
さらにとうれしき増量していったのです。(笑)
ミッドレングスの愉しさは、
ここからはじまる連続写真で紹介します。
微細なんです。
岸近くなって、
水深が深くなり波はロール、
つまり緩慢が極まっていくライディングエリアです。
ここでやめるのもいいのだが、
こここそがトリムサーフィングのヤマバと言いますか、
大事なところなので、
ここは是が非でも乗り継ぎたい重要なセクション。
ショートボードに乗っていたら
この泡斜面に乗っていくのは無理というか、
きっと波には見えないと思う。
ボードの抵抗を最小限に、
乗ってきた速度だけを価値として泡の下、
そして泡の前に出ていくんです。
写真で見るとちょっと考えられないけど、
ここでレイルを入れて、
ジワリというターンで加速したのは直感から。
レイルが入って、
出ていくときにちょっぴり加速して
「しめしめ」となったところでしょうか。
もこれだけ加速すれば大丈夫。
たった時速1〜2kmとか、
そんな微少微細の速度だけど、
前向きになったのは間違いない。
スロウサーフィングの愉楽。
速度が付くと、ボードは浮きます。
これでもうショアブレイクまで行けます。
マンライ決定の大事な乗り継ぎテクニックでした。
こういう地味なターンやトリムが学べ、楽しめるのが、
ミッドレングスの良さのひとつでありましょう。
ショアブレイク付近はギャラリーに近くなるので、
浅く、石岩地区だけど、
ただ乗っているだけではなく、
方向を反転しながらクロスステップして、
ジマンなるライディングの最後を盛り上げるのです。
「あしたの兒玉さん」
で一気にキャラ立ちしたジョー兒玉さんも夕波に乗りにお越しになりました。
この投稿が現在閲覧数でトップ5入りしまして、
これは丹下段平とジョーのかけあいのすごさと、
サーフィング根性のマッチングが良かったからに他ならないのでしょう。
泪橋=フォードアーズの独壇場。
渋谷直角さんありがとう。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/55725
夕陽斜面をミッドレングスでゆらゆらと滑る至福のとき。
時間が前後しますが、
サンディエゴ/メキシコから熊木さんもいらしてくれました。
噂のミッドレングスに乗ってマンライづくしの笑顔がすばらしい。
良いボードです。
これはインディペンデンス・デイ@フォードアーズの午後波で、
こんな長いラインのカットバックもできます。
ウナクネ総帥のアレックス・ノストもミッドレングスマスターで、
もしかすると現代サーフィングでは、
「ミッドレングスに乗ることは必須なのかもしれない」
と思い込んできた2014年の夏のはじまり。
キャッチサーフにもミッドレングスは、
今年から6’0″が加わり、
7’0″、 8’0″と3本柱となりました。
6’0″がミッドレングスとなるのは、
その大きな浮力からです。
ぜひとも乗ってみてください。
長いレイルと、
ニーパドルできる浮力の7’0″
最速バレルもゲットした冬。
CANVASのミッドレングスは、
大ブームを起こしたミニノーズライダーがあります。
MNR5’12″
ノアが乗るとロングみたいだけど、
これぞミッドレングスの粋でもあります。
ロングを短くしたのがサンオノフリー。
これも大ブームとなりましたね。
そうするとミッドレングスというのは、
たくさんのモデルがある世界でもあります。
ショートボードシェイパーで、
さらにはインディーズで世界トップクラスと称されているコール。
彼がミッドレングスを削ると、
こんなにセクシーで味のあるボードとなって、
私の永久保存版ボードとして活躍しています。
その誕生ブログはこちらです。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/35574
その完璧なソフトレイルを信じて、
フィンを外してフィンレスとしたり、
フルノーズライドしたりと幅が広いボードであります。
ということで、
ミッドレングスLOVEというポストとなりました。
これを書いているときに聞いていたのは、
陽水さんのリバーサイドホテルのライブ版と、
彼の奥さんである石川セリさんの
「ムーンライトサーファー」。
自分が「波に乗る」ということに憧れていたころの楽曲であります。
やさしくトリムなリズムが、
今好きな軟緩グライドに酷似しているのでありました。
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アメリカでのデザートトラックのイラストを見つけ、
それが秀逸なので、ここにおいておきますね。
©Marz jr.
それではすばらしき、
美しき日をお過ごしください。
トリムウオークという言葉を思いついたけど、
そんな動きもいいなあ。
今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございました。
夏だからでしょう、最近はすごい閲覧数となっています。
ニコリン&ハッピー感謝します。
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