こんにちは、
カレンダーを見たら11月11日。
大好きなぞろ目日です。
でも後50日で2015年も終わるというのも早いですね。
少し前まで夏だったのにと、不思議な感覚です。
Nation Dream Crusher 5’6″ x 19 3/4″ x 2 5/16″/28.8CL
今回の日本は、
このドリーム・クラッシャーとの旅だったように思える。
じつはこれには伏線があって、
ーー感覚的に優れている読者ならお分かりだったのだろうがーー
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/61987
まずはこのブログに書いたように、
「ユル・低評価の波でたくさん乗る方が、精神的に良く、さらには上達に導く」
そんな今まで誰も唱えていなかったサーフメソッド。
ただ、
そのためには浮力がたっぷりとあって、
重量があるボードが必要なので、
必然的にショートボードでは大サイズか、
ミッドレングス・シングルフィンに好んで乗っていた。
Nation The Pink Champagne On Ice 6’11″/ Dream Crusher 5’6″
けれど、
このミッドレングスは、
日本のサーファーたちの心がついてきていないように感じていた。
ミッドレングス。
生越さんたちに代表される業界人、
または一部の好感度サーファーは乗るが、
一般的にこの考えは普及したのか?
答えは「No」だろう。
それはなぜか?
そう考えてみると、
いくつかの理由があるように思える。
1.住宅や車内事情
2.人は変化を望まない
3.(他のサーファーと)違うスタイルの板には乗りたくない
4.ダックダイブ(ドルフィンスルー)がしずらい
5.初心者に見えるのが嫌
6.大ボード(浮力過多)が嫌い憎い
こんな感じだろうか。
でも「適正浮力のショートボードで弱波を乗る」というのは、
本当に苦行であると思える。
パドリングには自信のある私でもそう感じるのだから、
一般サーファーが適正浮力ショートボードで、
ユル波や低評価波に乗ろうとすると、
ピークから、
しかも一瞬だけというチャンスのテイクオフをものにしなくてはならず、
ぽんぽんと乗ることはむずかしい。
これだと波乗りではなく、
「波待ち」
という時間になってしまうのではないだろうか。
余談だが、
私の平均サーフ時間は60分程度。
昔はもう少し長かった。
こうして写真を撮ってもらうときも30分交代と掲げているので、
もしかすると30分でも十分に満足できる。
ただ、そのためにはセット波はもちろん、
誰も目を向けない小波にも乗っていくというのが条件となる。
こうやって、戻っては乗り、戻っては乗りとサーフしているのは、
激しい運動と同等であるといえる。
こうして体を最大限に動かしながら、
しっかりと呼吸をしているとき、
サーフィングとはスポーツ、または鍛錬だということを感じる。
そんな中、
NATIONのフラッグシップとなるボードデザインをライアン・イングルに提案していた。
私は日本のサーファーのことを考えて、
「浮力があって、しかもキレキレのショートボードのフィーリング」
そんな相反するイメージをライアン・イングルに掲げていた。
熱心なNAKISURFファンならご存じでしょうが、
ライアンは、
ハンドシェイプ時代にインフィニティのプロダクションシェイパーを経て、
膨大な量のサーフボードを若年時代にシェイプし、
次にAKUシェイパーというコンピューターカットマシンをローンで手に入れて、
長年それをオペレートしてきた。
Nationは、
そんな彼が膨大な数値を要求する高精度マシンカットと、
高精細ハンドシェイプの2層で表現する
「100%マジックボード保証」という唯一無二のブランドである。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/62326
これだけマジックボードを量産できるのなら、
Nationはメーカーとして大きくなりそうなものだが、
世の中とは不思議なもので、
いくら良いサーフボードを製作できても、
マーケティング力、つまり資本力がないと有名にはならない。
つまり、世界に散らばるトッププロに大量のボードを与えて、
雑誌広告やソーシャルメディアに資金を使う資本力が必要となる。
マシンを使わずにマジックボードを削り出すCOLEも同様で、
一時はアンディやブルース・アイアンズを筆頭に、
マット・アーチボルドや多くのトッププロが彼のボードに乗っていたが、
やはりサーファーは、
報酬を与えてくれてサポートしてくれるメジャーブランドに乗ってしまうというのも、
元選手としてはよくわかる。
話は逸れたが、
そんな中ドリーム・クラッシャーは、
ーー偶然にーー
カーソン、つまりクリスチャン・ワックの弟が、
「現代版の究極フィッシュデザインをして欲しい」
そうライアンに持ちかけたのが始まりで、
完成直後にサーファー誌のスタジオでこのボードを撮る縁にも恵まれ、
持った瞬間に「これだ!」と電流が走るものがあった。
「浮力があって、しかもショートボードのフィーリング」
そうライアンに伝えたとき、
なぜフィッシュと気づかなかったのだろうか?
フィッシュとは丸いデザイン。
ボード幅を稼げ、
しかもライアンお得意のフォルムがあるので、
レイルも厚くしても、
シャープな印象は変わらずにショートボードフィーリング。
これをスーパーフィッシュと直感的に名付けた。
撮影後、
ボード返却の際にライアンにこのドリーム・クラッシャーの詳細を聞いてみると、
「往来のMRツインのVeeを基調とし、
前足のアクセル部にはシングルコンケイブを施した複雑なボトム」
さらにボトムや各ロッカーには、
ソニックブームや他ボードと同じようにマジックボード数値を入力しているというので、
「このボードは未来の標準になる」
そう直感したことを思いだした。
翌日ローワーズで乗ったカーソン・ワックから
このドリームクラッシャーを絶賛するSMSが届いた。
私も乗ってみると、一本目からこんなフルターン。
20代の自分に戻ったようになった。
余談だが、
このドリームクラッシャーのUSAのボディコピーは、
“BEYOND THE PODIUM”
この意味は「表彰台の向こうに」ということで、
コンテストの結果、
つまり競うことの範疇を越えてしまったということだという。
ドリーム・クラッシャーは、
「(あまりにも波乗りが楽しく)WSLで競う自分の夢を壊す」
そんな願いを込められているので、
そのふたつのことから、
このサーフボードのすばらしい性能がわかるだろう。
具体的には、
「フル浮力なのに、シャープな乗り味」
そんな35年来に渡るショートボードビルダーたちの夢が達成されたように思えた。
で、今回の日本に持っていって、
小波や弱波で乗ったときにわかったのは、
「ものすごくテイクオフが速い」ということ。
「激速」
ロングボード並の滑り出しとテイクオフを達成し、
さらには取り回し良く、激しい切れ込みには、
まるで生きもののようにリカバリーしていく。
これはサーフボード全体がデザインされている証拠である。
このデザインならフォルムそのままに浮力をさらに上げられるので、
初心者にも簡単操作できる完璧なサーフボードが完成した。
このボードを持って旅をするのは本当に楽しかった。
ドリーム・クラッシャーという名前だけあって、
その波運をも引き寄せた夢旅となった気がする。
今回NAKISURF千葉では、
フリーマート等を開催したので、
それは多くのサーフファンたちとお話する機会に恵まれた。
そのとき、
「ドリーム・クラッシャーとソニックブームの違いは?」
多くの人に聞かれた。
返答は、車に例えることが多かったのだが、
ソニックブームはフェラーリやランボルギーニ、
またはBMW、アウディのチューンカー。
つまり尖ったモデルです。
で、このドリームクラッシャーは、
「ラグジュアリーでありながらスポーティ。
レクサスの最上機種のようなサーフボードであります」
そうお伝えさせていただいた。
【今回の日本】
ドリーム・クラッシャーには、
千葉では、
マンデーブログでおなじみの、
思想派ハッピーサーファーのヤザワジュンが乗って絶賛し、
彼もまたドリームクラッシャーについて執筆中であるという。
さらには永遠のショートボーダーである杉本さん、
のんびりツナくんも乗って、
全員の忌憚のない評価(友人なので容赦ない)
からこのドリームクラッシャーの許容範囲の大きさを感じた。
ツナくんは、
「(ドリーム・クラッシャーの)自在さが好きです」
例によって言葉が少ないので聞いてみると、
「全てが良くて、その全てが突出していました。
船木さんの真似をしてハイラインのトップターンも決まりました」
そう言いたかったらしい。
杉本さんは、
「ハイパーフォーマンスを断然超えるハイパフォーマンス・ショートボードです!」
「自分は必要以上にボードを踏み付ける癖があるのですが、
そうやってしまっても失速しないで、
その踏み付けに対して加速していくのが生きものみたいでした。
スピード命の自分にとって、ターンの快楽にしばし溺れておりました。
テイクオフが異様に速いので、部原北のショアブレイクにもガンガンと、
連続でテイクオフできました!30分で20本は乗れました!
SDSも試してみたいです。感動です!」
そんな感想をいただいた。
もっと多くの人のサンプルが欲しいのだが、
なんせ発売前のモデルですから、それは高望みというものだろう。
今日はここに新しいサーフボードデザインが開発される経緯と、
乗ってからのいろいろを書いてみました。
『DREAM CRUSHER』
ライアン・イングルが完全シェイプし、
デイブ・ネイラーやジェイソンたちが製作するNATIONの2016年モデルです。
発売開始までもうすぐですが、
NAKISURFでは冬のボーナスキャンペーンも始まりました。
http://www.nakisurf.com/blog/showroom/archives/81803
一刻も早く欲しい、
または気になる方は、
どうぞ shop@nakisurf.com までお問い合わせください。
この夢ボードの、
サイズ感等、お求めになる浮力を提案させていただきます。
さらに詳しい
”ドリーム・クラッシャー”インプレッションは、
こちらふたつの既存リンクよりご覧ください。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/66277
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/66491
このスーパーフィッシュ『Dream Crusher』でユル波、
小波、そして大波を滑ってください。
それでは!
本日は4400字を越える大量の文字となってしまいましたが、
ここまで読んでくださったサーフィングファンの方たちにありがとう。
今日も良い秋日となりますように。
サンクレメンテは低気圧が抜けて風強しです。
今日もみなさんの良い日となりますように。
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