こんにちは、
1月最後の月曜日をいかがお過ごしですか?
こちらサンクレメンテは、
3ft at 14s W (271°)
2ft at 14s SSW (205°)
という波間隔14秒越えの西、
そして南南西うねりが入り、
頭サイズのお祭り状態となっている。
そこでタイちゃんことタイラー・ウオーレンに相談すると、
「ミドルスに行きましょう。きっといいです」
ということになり、
冬波の聖地ミドルストレッスルズにやってきました。
このパーフェクション。
長い波は200mは続き、
コンディションが良いときに、
ローワーズからチャーチの河口まで400m以上乗ったことがあります。
リンコン岬のように掘れ上がりはしないが、
緩いトレッスルズ系の斜面が、
遙か長く続くミッドレングスーログの桃源波であります。
サンクレメンテの南に位置するトレッスルズ。
大きく分けて、
コットンズ
アッパーズ
ローワーズ
そしてこのミドルスの4ブレイクがあります。
最も長い波がブレイクするのはこのミドルス。
マット・ハワードや
ハービー・フレッチャーが愛するブレイク。
夜明け前にタイちゃんの家で待ち合わせて、
この朝焼けと共にフリーウエイを8分南下していく。
「この時間にパドルアウトしていたらよかったです」
この夜明け色に焦るタイラー。
待ち合わせ時刻が夜明けの30分前だったので、
次回は60分前としようということを話しながら、
レッド・ツエッペリンのロックと共に時速70マイルで走っていた。
この線路を越えたらほぼミドルスに到着です。
タイちゃんが師匠である故テリー・マーティンを偲んで削った9’8″
その初乗り記念日でありました。
朝陽色が薄くなってきました。
軽くハングファイブして、
チャーチに向かって滑っていく。
カットバック・フェイディングで、
ログボードをここまで寝かせることができるタイちゃん。
渋く、
そして新次元のサーフィングを拝見させていただいた。
そしてハングファイブの安定度は世界でもトップクラスだろう。
このままのポーズで揺らぎもせずに100mくらい突っ走っていった。
横で見ている人たちが「あれを見ろ!」
と叫び、
タイちゃんの完璧なるノーズライドの長さに唖然としていた。
俺はというと、
タイちゃんが「NAKIスペシャルです」
と削ってくれたスペースシップ5’5″でふわりとクルージング。
ボードの出生については以下のリンクに少し書きました。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/50169
タイちゃんが近寄ってきたので、
「これに乗る?」と聞くと、
ニヤリと笑って彼の9’8″がやってきた。
タイちゃんの初ログ。
しかも渾身シェイプのニューボード。
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スペースシップに乗ったら、
突然アグレッシブサーファーに変貌したタイちゃん。
フルレイルのカービング・カットバック。
□
スクエアに寝かせたボトムターンから、
オフザカーブのシークエンス。
前出した横にいた人たちが
「あれは誰だ、トム・カレンか?」
と推測しているのを聞き、
少しにやついてしまった。
とにかくこの本格的なカービングはやけに目立ちます。
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俺が乗ったログというか、
この手のボードのおもしろさは、
ターンで波を切り裂いていくことだと思う。
上の写真を見ていただけたらわかるのだが、
自分で切り出した波のトラック溝が後ろに残っていく。
重い音が「ブオッ!」とフィンから出て、
そんなことがうれしく、興奮してしまう。
『門前の小僧習わぬ経を読む』
ではないが、
タイちゃん、そしてクリスちゃん
(クリスチャン・ワック)譲りのノーズライドもできた。
パラレルスタンスで長い波をグライドしていく悦楽、愉楽。
それは豊かで幸せな気持ちとなっていった。
タイちゃん渾身のピンテイル。
もちろんリーシュプラグなどはない。
1960年代風でも、
現代シェイプのすばらしきサーフボード。
マンライ(=満足ライディング©オガマさん)をたくさん得て、
このミドルスセッションはタイムレス(永遠)となりました。
アグレッシブとプログレッシブなる崇高ターンのタイさま。
自分の世界のボードを創造し、
歴史と伝統も尊び、
ブランクスからハンドシェイプで削りだして、
ミニからショート、
そしてミッドレングス、
ロングにログまで、
それは自在に操ることができるサーファーがここにいる。
世界は広いし、そしてすごい。
タイラー・ウオーレンが、
ここまで美しいサーファーだということを認めた瞬間でした。
彼のサーフィングに注目していた人たちの羨望のまなざしを浴びて、
タイさまが悠々と上がってきました。
やはり291お人であります。
よく見るとJJも入っていて、
このシグネチャ−・ハングテン。
そしてJJ印のハングヒール。
すごい。
シグネチャーフィンの効き目あり。
スコッティ・スプトニックもロググライドしていて、
彼らしいハングテンを決めていた。
「全てを動画に収めたよ」
とは同行したジョン・アーマン。
彼は有名なロック歌手だとタイちゃんが言っていました。
そう見えます。
帰ろうとするとキャプテンフィン、
またはキャプテンヘルムの親玉&大ボス、
元締め、大将、頭領、親方、総司令官、取締役、
そして首領のミッチー・アブシャーが上がってきた。
2月7日から始まるインスピレーション展の話と波の話。
もうすぐハワイに行くというタイちゃんは不参加。
リンタロウさんがっかり。
前出した朝焼けの道も午前10時となると、
こんな乾いたカリフォルニアの空が遠くに拡がっていた。
みんなでSCカフェに行って、
俺は目玉焼きとハムのセット。
野菜がなかったので、
サルサソースをかけてみたらマンライ味となりました。
今日はスペースシップにとって、
すばらしい滑走日だったので、
サンワンの山に行って記念撮影。
うれしそうなボード。
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スペースシップが誕生した日の写真を見つけました。
COLEたちと同じようにマシンカットからシェイプする場合もあれば、
ブランクスから削り出すハンドシェイプもできるタイラー。
彼は、
巨匠故テリー・マーティンの遺産でもあります。
そしてサーフ業界にとっても。
NAKISURFでは、
全てタイラーがハンドで削ってくれるというので、
こういったスペシャルシェイプや特別デザインのオーダーをしてきました。
毎月10本だけの限定も限定ですが、
それは美しいオルタネティブボードから、
コンセプトモデルをここでご紹介できたらと思っております。
どうぞよろしくお願いします。
スペースシップ、
俺にとってもそしてタイラーにとっても初めてのデザイン。
そんな驚きがこの作品に詰まっている。
これがシェイプサイン。
想像でも現実でも波に乗る。
ブレイクが空いていたり、
空想に耽ることができる冬は、
サーフィンの季節であると思います。
タイちゃんありがとう!
新しい波乗りのドアを開けてもらった気持ちです。
Enjoy Da Ride!!
すばらしい波乗りを!
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